2025/06/23 離婚コラム
モラハラと離婚
最近、離婚の相談を伺っていますと、配偶者から「モラハラ被害を受けている」という相談や、逆に、配偶者から「モラハラの加害者だと主張されているが事実と違う」といったご相談がしばしばございます。
そもそも「モラハラ」って何でしょうか。
そして、「モラハラ」があった場合には離婚ができるのか、または、離婚要求に応じざるを得ないのでしょうか。
「モラハラ」とは、「モラルハラスメント」のことで、ここ10年位でずいぶんと市民権を得た言葉であるように思われます。
しかしこの「モラハラ」、実は法律用語ではないということをご存知でしょうか。
弊所にあるいくつかの書籍を参照してみましたが、著者により用語の使われ方もまちまちです。
この点、もっとも狭義の解釈は、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)1条にいう「身体に対する暴力またはこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」、すなわち、暴力と同レベルの“精神的な暴力”を指すという見解でしょう。
他方で、広義の解釈では、広く精神的な嫌がらせやいじめのことを指すということになると思われます。
協議離婚や、調停離婚の場合には、どのレベルの「モラハラ」かはさて置き、最終的に双方が離婚に合意できれば離婚は成立します。
しかし、協議ができず、離婚調停も不成立となった場合には、裁判で決着を付ける必要がありますが、その場合、「モラハラ」で離婚が認められるためには、当該「モラハラ」が、民法770条1項5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するといえることが必要です。
私見ですが、相談者の方が言われる「モラハラ」の中でも、上記で述べた狭義のモラハラは離婚事由に該当する可能性は高いと思われます。
広義のモラハラの場合には、嫌がらせやいじめの目的や、内容、期間、相手方の被る精神的な打撃の大きさなどの事情を総合考慮して、離婚事由に該当するか否かが判断されることになると思われます。
弁護士が相談を受けるときは、相談者の言われる「モラハラ」がどのレベルのものを指しているのか、裁判上の離婚事由に該当するレベルに達しているのか、証拠はどの程度揃っているのかなど、様々なことを考えながらお話を伺って、離婚の見通しや今後の対応方針を検討していくことになります。
配偶者の「モラハラ」で悩んでいる、または、配偶者から「モラハラ」と言われて困っている方は、お気軽に弊事務所への相談をご検討ください。
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